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ブラックアウト寸前

増え続ける細胞の音を聞いた気がしてあまりの生命力に思わず息を止めてみた

2017'05.23.Tue
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2007'04.16.Mon
あの男を評価するにあたってどんなに考えた処で結局冷たいとしか言い様がないと思う。
そう云うと宍戸は不思議そうに首を傾げた。
「お前のことなんかこれでもかと甘やかしてる様にしか見えねェけどな」
確かに普段のやりとりをみていれば一瞬甘やかしたがりに見えるのかもしれない。普段だって声を荒げた俺に対して柔らかい口調に少し寄せた眉根なんかで堪忍なァなんて云うものだからやっぱり忍足は。としか見えないだろう。

しかしそれは俺からすれば幻視でしかない。
眸が何かの金属片の様にきろりとしていて少しも笑ったことなんてないじゃないか。長い前髪と眼鏡のせいで気付いていないだけなのだろうか。少なくとも、隣にいてその程度の事はわかる。
「あいつは」
とそこまで口を開いて忍足を評価する言葉を発しようと思ったが、結局宍戸からみた忍足は甘い男で、俺が知っているのは冷たい男で、それも結局違うのかもしれない。
口を噤んでしまった俺に宍戸はまた少し不思議そうにしていたが、元より細かいことは気にしない男だ。さっさと話題を切り替えてしまった。
それに適当に相づちを打ちながら考える。
忍足は甘やかしたがりな男を演じておいて一番甘やかしている俺に対して一番冷たい面を見せる。
一体何が目的なのだろうか、とそこまで考えた所で教室の扉に見慣れた影が映る。
「がっくん、部活行こ」
唇の端をにんまりとあげてこちらへ手を振る忍足に宍戸はやっぱり甘いだろあれ、と指をさす。
よく見てみろよ。
あの笑い顔、いつも同じじゃねェか。
薄気味悪い。
ちっとも笑ってなんかないくせに。
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